ふと、変なことを考えてみました。地球上のヒトを全部集めたらどれくらいの体積になるでしょうか?
平均体重を60キロ、比重を1、世界人口を60億人と仮定すると、計算間違いをしていなければ0.36立方キロメートル、711メートルを一辺とする立方体、或いは半径441メートルの球と同じ体積になります。高層ビルから見下ろせる空間に、すっぽり入るようなもんでしょうか。不思議です。
それだけしかいないのに、ヒトはより広い領地を求めて何度も戦争をしてきました。それだけしかいないのに、ヒトは違う言葉や思想を持ち、お互いにコミュニケーションが取れなかったりします。それだけしかいないのに、ヒトは膨大な建築物を地上に造ってきました。インターネットはヒトとヒトのコミュニケーションを密にしたようで、却って疎にした気もします。大きな声を出せば、全員に届くような人数しかいないのに、どうしてここまで複雑なネットワークが必要になったのでしょうか。道具は作りっぱなしではダメで、どう活用するかの方が重要なことが多くあります。ネットワークもその容量の向上だけでなく、活用法をもっともっと考えるべきですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。