長野県知事の田中康夫さんが、サリン事件で当初犯人扱いされた被害者、河野義行さんを県の公安委員に起用するらしい(県議会の同意が必要)。公安委員会は、県警の民主的な運営を管理する立場にあり、いわばお目付役のようなものでしょう。通常地元の財界有力者などが警察によって推薦されるようなのですが、今回は田中知事自らの決断とのことです。官公庁という言い方がありますが、本来官は公の下に来るべきものであり、公、官の順が正しいと思うのですが、その公権力が間違いを犯し、公の構成要素である「民」間人を苦しめてしまった事件である、松本サリン事件。公権力の恐さを良く知る河野さんをその公権力に対するチェックと牽制として起用するこのアイデアは素晴らしいと思います。民主政治は具体的な施策よりも正しい民主的な仕組みを確立していくことの方がより重要だと思います。いろいろと大変でしょうし、個別の各事柄については賛否両論もあるでしょうが、田中知事にはこれからも頑張ってもらいたいと思います。