バレンティーノ・ロッシなどと言っても知らない人が殆どでしょうが、オートバイ・レース界の天才児です。数年前に、恐らく未だ高校生ぐらいだったと思いますが、幼い顔をして登場し、確か125CCグランプリで滅法速くて勝ち続けていました。まさに童顔で、おどけてばかりいる小柄なイタリア人ですが、レースに於ける技術や勝負へのこだわりはただ者ではありません。今は最高峰のモトGPクラスを乗っていますが、昨晩のル・マンに於けるフランス・グランプリも圧巻でした。レースは28周。ずっと先頭を走っていましたが、雨が降り出すとあっさりと後続に抜かせて自分は3位に付きました。雨のため転倒車が増える中で、1位の宇川選手と2位の選手の差が開き始めると2位を抜き、18周目か19周目だったでしょうか、宇川を抜いて再び一位に躍り出ました。その2周後(だったと思います)、雨が突然本降りになり、レースは突如中断されました。ピットに戻って来ると、そこには表彰台。周回の3分の2を超えていたのでレースは正式に成立し、ロッシが優勝したのです。宇川がどんなに悔しがっても後の祭りです。解説者は宇川を気遣ってか、レース中は周回数はとても数える余裕がないのでピットに戻って来て初めて選手はレースが成立したことを知ったでしょう、と言っていましたが、そんなことないでしょう。こういう厳しさは、日本の選手はもっと学ばなければいけないですね。