寿司のことは何度もつぶやいていますが、先週そば屋と寿司屋のことを書いたらまた気になりました。随分前に寿司の食べ方について、ネタを下にして頬張るのが旨いと志賀直哉の「小僧の神様」に書いてあったように記憶していることを書きました。小説に出てきたのは鯖の寿司で、ネタを下にして舌に当てた方がネタの微妙な味が分かる、しかも醤油の付いたシャリを毎回舌に当てても旨くないというようなものです。気になって本屋で文庫本を買い、ほぼ25年ぶりに「小僧の神様」を読み返してみました。すると何とネタは鮪で、しかもネタを下にする理由はネタが腐りかけていてもすぐ分かるからというものでした。何とまぁ適当な、そして都合のいい記憶力でしょう。私は鮪は殆ど食べず、ヒカリモノが大好きなのです。でも理由は違っても、やはり逆さにして食うのが一番だと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。