一週間前にアイリッシュ(アイルランド人)の先輩や友人のことを書きましたが、その後アイリッシュにまつわることを更にパラパラと思い出しました。大学を出て最初の職場はソロモン・ブラザーズというアメリカの投資銀行だった訳ですが、ニューヨークでの最初のボスがやはりアイリッシュでした。彼はジョン・メリウェザー(JM)の友人で、LTCMを経て今も相変わらずJMと一緒に働いているのですが、私にとっての次の職場であるゴールドマンで悩み事がある時なども、重要な問題の時は彼に相談しました。ゴールドマンを辞める時にも相談しましたが、相談を受ける時はいつでも本当に真剣に話を聞いてくれて、誠実に意見を言ってくれます。年の差とか、かつて上司とぺーぺーの部下であったとか、そういったことを一切感じさせません。いつだったか彼が言ったことがずっと胸に沁みています。「友達には大切な友達とかそれほど大切でない友達とか、そういった区別はないんだよ。友達である以上、僕は全ての友達と同じようにしか付き合わないんだ。」
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。