我が国は法治国家であって、立法、行政、司法の三権は分立しています。しかし最近、本当にこの三権分立が機能しているのか疑問に思うことがあります。M・Sさんのように立法府の人間が行政府に対して特別な影響力を持ってしまったりとか、K・Tさんのように立法府の人間でありながら法律を犯すことと単なるミスを混同してしまったりとか、本当にビックリすることが多くあります。しかしもっとも呆れるのは、最高裁判所が違憲状態であると判断している国政選挙における一票の重さの違いがいつまで経っても抜本的に是正されないことです。司法の最高判断を立法府や行政府がしっかりと実行できないとなるとこれは問題です。東京都の外形標準課税問題も、一般的な善悪・是非論とは別に、司法と行政という観点からも注意して見ていきたいと思っています。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。