金曜の晩にまたジャズを聴きに行きました。ブルー・ノートでのマイク・クラーク・バンドです。ハービー・ハンコックのリズムセクションを演ったりしていたドラマーで、同じくファンク・ベースの元祖ポール・ジャクソンや、ミンガスとも演っていたトランペッター、ジャック・ワルラスなど、なかなかの実力者揃いです。ギターはチャー。「気絶するほど悩ましい」や「闘牛士」の、あのチャーです。チャーは実はギターがとてもうまい、歌心もある、と以前から思っていましたが、今回は本当に感心しました。チャー以外の3人は、30年近く前から何度も何度も競演してきた仲で、演奏は70年代のマイルス・デイビスやギル・エバンス(ビルじゃありませんよ!)の考えていたようなジャズに、ブルースというかファンクを融合したようなもので、私はゴキゲンでした。チャーの絡みも最高でした。エフェクターを使わずに、弾き方だけで多彩な音を出して、ブルージーに、時には微妙なバランスではずしかけながら、堂々と3人と張り合い、そして溶け込んでいました。こんなにうまい(歌心のある)日本人のギタリストがいるんだ、とまで思ったのですが、唯一残念だったのは聴衆が昔のチャーのファンが多かったのか、今一興奮していなかったことです。ステージとフロアの関係は本当に微妙です。先日のベベウ・ジルベルト(アストラッドの娘)のステージは凡庸でしたがフロアは大満足でした。私だけがあまのじゃくなのでしょうか?