剣術などでよく「間合い」が大切だと聞きます。剣道を習った訳ではないのですが、時代劇や剣術劇画などで「斬る斬られるは剣の鋭さではないッ。間合いをどう取るかなのだ。」なんてことを剣聖が目をつぶりながら言ったりします。剣を全く振る前に間合いを取りながら向き合うだけで、「参りました」などと叫んで土下座するといった場面もたまにあります。この人と人の間合いは、斬る時だけでなく、人に近しくなる時にも肝要であるということを最近知りました。どういうきっかけで人との間柄を更に深めるか。これはコミュニケーションを考える上で重要なテーマですが、当社の若い社員H君の話を聞いて感心しました。合コンとかで複数の女の子と一緒に居る時に、彼は喋り上手という訳でもないらしいのですが、気に入った女の子が居るとスッと彼女に物理的に近付くのだそうです。言葉ではなくて間合いによって気持ちを表して、受け容れられないとまたスッと遠ざかる。言わば間合いだけでコミュニケーションを取る彼は、合コンキングだそうです。いやはや、中々の達人と言う他はないでしょう。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。