今日からNYで世界経済フォーラム年次総会が開かれます(私も週末に参加します)。通称ダボス会議ですが、今年は例のテロの件があり、初めてスイスの山奥ダボスを出て敢えてマンハッタンで催されます。NYの復興を世界にアピールするといった趣向だと思いますが、ダボス会議の場としてはあまり宜しくないと思います。第一にダボスは山奥でネットワーク環境もさして良くなく、他にすることもないので議論に集中できますが、NYだといくらでもビジネスが出来ますから極めて落ち着きのない会議になりそうな気がします。第二に当然参加者に占めるアメリカ人の比率がとても高くなり、アメリカのビジネス・スクール的な議論の仕方に強く押される可能性が高く、言った者勝ちの雰囲気が強くなる気もします。そして何より、最も重要なテーマの一つであろうナイン・イレブン(昨年9月11日のテロ)に関して、「アメリカにもこういう悪い点もあった」というような論点がタブーになってしまう危険があるのではないでしょうか。それは開けた国際的な、多様な価値観の並存を探る国際会議のセット・アップとしては致命的な弱みがあるように私には感じられます。果たしてどうなるやら要注目です。