温泉の本格度をランク付けする動きがあるらしい。例えば「ぬめり」が、本当に効き目のある温泉成分からきているのか、汚い話で恐縮ですが湯に浸かった大勢の人の脂分からきているのかとかを分析して、6段階だかに区分するのだそうです。私は反対ですね。温泉は科学的な効用だけが目的で行く訳ではなく、なごむとかそういった感情的な余裕を求めていく場合の方が多いと思うのですが、そういう所に科学とか評価を持ち込んでも如何なものかと思います。科学的には本格的でなくとも癒し度ナンバー1だった温泉はどこかありがたみが減りますし、一方科学的に本格的だと格付けされた温泉が混んでしまったら、やはり余裕がなくなります。結局温泉界全体の効用が減るだけではないかと、私は思ってしまいます。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。