私は阿佐田哲也さんの本が大好きでよく読んだものです。勝負師達の人生絵図とか登場人物の人間模様もとても愉しいし、何より文章が上手なので読んでて飽きないのですが、賭け事にまつわる哲学というのも中々読み応えのあるものでした。例えば麻雀は究極的にはツキを4人の間で如何にコントロールするゲームなのだ、というような考えは、私には真実のように思え、中々含蓄に富んでいると思ったものです。博打小説ではないのですが、私は山田風太郎さんの小説も大好きです。兎に角娯楽小説として最高に愉快であり、かつ文章も美味この上ない訳ですが、この前読んだある小説の最後が、「新入。これでばくちア賽より相手を見ろって、御教訓のテニヲハがわかっただろう?」と〆られていて唸ってしまいました。これはトレーディングにも一脈通じるものがありますね。