円・ドルがたやすく130円を超えました。今月に入ってからいきなり5%以上も円は安くなっています。円安は基本的に日本経済にとってはいいことだと思いますが、改革が出来ない、或いは景気があまりにも悪いという理由による、マーケットの参加者からの一方的な見放し宣告だとすると、この円売りは何処までも止まらないかも知れません。「ある程度の円安はいいことだが、問題はある所でちゃんと止まるかだ。」という人が多いようですが、それはやり方次第だと思います。為替の誘導は、しっかりとした意思を持つべきです。例えば「日本経済にカンフル剤を打つために、140円までの円安を望む。」ときちんと政府が宣言をすれば、実際に円がそこまで売られる過程が介入など恣意的なものによるか否かに関わらず、その水準で円安を止めることが可能でしょう。逆にマーケットに押されて勝手に動いたものは、マーケット以外誰にも止めることは出来ません。「為替は市場に委ねる。」的な発言が我が国の政治においてはまま聞かれますが、為替政策こそ、主権国家にとってもっとも政治的なアクションの1つであり、明確な意思を持つことにより初めてコントロールも可能なものだと思います。