最近ある新聞社に教育問題について聞かれました。教育現場の荒廃とか、教育水準の低下とか、いろいろなことが世間では言われているようです。しかし私はさ程心配していません。何故なら古今東西、教育システムが原因で国が傾いたというようなことを聞いたことがないからです。教育システムと教育は別個の問題です。教育システムが悪化しても、それが即ち教育の内容が劣化することにはならないと思います。学校がダメでも子供たちは塾へ行くことができますし、どこでも必要なことを教えてくれなければ、自分で本を買って勉強することもできます。国のためになりたいとか、科学者として新しい発見をしたいとか、自らの能力を高めて出世したりお金を稼ぎたいとか、そういった目標さえしっかりあれば、あとは学校がダメでも先生がダメでも子供たちは勝手に教材を探して勉強するでしょう。ですから我々は教育システムのことを杞憂すべきではなく、それよりも子供たちにしっかりとした国の将来像を提示して目標が持てるようにする責任があると思います。