御存知のように東証は会員組織から11月に株式会社となりました。
それに伴い理事長は社長になり、常務理事は常務取締役になりました。以前の業務委員会はなくなり、ほぼそれに代替する形で市場運営委員会が設置されました。東証の取締役会に対する諮問機関です。私は以前は業務委員でしたが、今は市場運営委員を務めさせて頂いています。昨日第一回目の市場運営委員会が開かれたのですが、以前と違うことが二点ありました。一つは以前は会員会社からの代表者が委員を務めていたのですが、今度は上場企業である事業会社や機関投資家からの代表者も委員会に参加していることです。もう一つの点はいつもと同じ大きな会議室に通されて初めて気が付きました。とっても大きくて立派な長いテーブルに東証の役員の方々と委員が対峙する形で座るのですが、今までは扉側が委員、窓側が東証の方々だったのですが、それが逆になりました。些細なことですが、「あ、変わった」或いは「変わろうとしている」という気持ちが読めました。みんなで変えて行かなければ何も変わりません。宣伝はしなくても我が国の資本市場を少しでも良くして行こうと願っている人はいろいろな所に居ます。私も当事者の一人として正しい変化に貢献できればと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。