新年明けましておめでとうございます。新年早々、ハンセンH株指数は急騰し、2013年2月につけた、ここ3年間の高値を更新する寸前のところまで来ております。長らく低迷を続けた中国株ですが、今年は中国が追加金融緩和に動くと期待されることから大きな上昇への期待が持てるところだと思います。本年も宜しくお願い致します。
さて、先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数は続伸、深セン総合指数は反発、創業板指数は続落となりました。中国本土市場は新年の休日で1月1日(木)と2日(金)が休場でしたので3営業日の取引となりました。12月29日(月)と12月30日(火)の株価は小動きで推移しました。特に12月30日(火)は追加金融緩和策や景気刺激策への期待感は継続する一方、このところの急激な上昇に対する利食い売りが進んだことと、小型株が引き続き売られたことから反落となりました。
しかし、12月31日(水)は大幅反発となり、上海総合指数は約5年ぶりの高値を更新しました。この日の材料は2つあります。1つはこの日に発表された12月のHSBC中国製造業景況感指数(確報値)が49.6と速報値49.5よりも良くなったものの11月実績の50.0よりは低下したままだったことです。サプライズというわけではありませんが、低調な経済指標が改めて発表されたことで追加金融緩和への期待が高まるキッカケとなりました。もう1つは合併計画を発表した鉄道車両メーカーの中国北車と中国南車がストップ高まで買われたことです。
一方、香港市場は1月1日(木)のみ休場で4営業日の取引となりました。全般的に中国本土株の上昇に追いつく形で銀行株など、中国企業が大きく上昇して株価を牽引しました。特に1月2日(金)は香港H株指数が大きく上昇。理由は1月1日(木)に発表された12月の中国公式製造業景況感指数が50.1と、市場平均予想の50.0は上回ったものの、11月実績である50.3を下回り、1年半ぶりの低水準を記録したことから、中国の追加金融緩和策や景気刺激策への期待感が高まったことです。
今週発表される中国の経済指標ですが、1月6日(火)に12月のHSBC中国サービス業景況感指数、1月10日(土)に12月の中国の輸出(前年比)と12月の中国の輸入(前年比)、12月の中国の新規人民元建て融資額が発表されます。おそらくあまり良くない経済指標が発表され、追加金融緩和策や景気刺激策への期待感が高まるというこれまでの傾向が継続するのではないかと思われます。
コラム執筆:戸松信博