先週の中国株ですが国慶節の連休で、中国本土市場は10月1~3日が、香港市場は10月1~2日が休場となりました。したがって、いつもより短い営業日数でしたが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数は続伸、香港ハンセン指数は大幅続落となりました。中国本土の株価指数は中国の弱い経済指標が発表される中でも、年初来高値の更新が続いています。9月27日(土)に発表された中国工業企業の8月の利益は前年同期比0.6%減と2年ぶりにマイナスに転じました(7月実績は13.5%増)。また、9月30日(火)に発表された9月のHSBC中国製造業景況感指数(確報値)は50.2となり、既に発表されていた確報値の50.5を下回り、8月の確保値から横ばいとなりました。

これらが示すように中国経済はスローダウンしている印象です。しかし、中国本土市場では、それほど材料視されず、逆に景気刺激策や金融緩和策への期待感が増す結果となりました。また、「滬港通」(上海と香港間の株式相互取引)の始動が近づいていることもプラス材料となり、各指数は年初来高値を更新し続けています。なお、休場中に発表された9月の中国公式製造業景況感指数は51.1、9月の中国公式非製造業景況感指数は54.0となり、こちらの方はほぼ市場予想通りの結果でした。

一方、香港市場は大幅続落が続いています。香港では中国経済のスローダウンが懸念されているとの見方もありますが、やはり香港のデモが大きな下落要因となっていると思います。しかしながら、10月3日(金)は悪天候の影響もあってデモ参加者が縮小したことが好感されて大きく下げた後、反発となっています。もちろん、デモに関しては先行きがどうなるか分かりませんが、香港の世論調査では香港市民700万人の大半は、中国本土との対立には反対しており、今のところ米国も関与に消極的なようですから、最終的にはなんらかの折り合いがあって、解決するのではないかと思います。となれば、現在の下落を投資好機と見ることも出来ると思います。今週は10月8日(水)に9月のHSBC中国サービス業景況感指数が、10月10日(金)に9月の中国新規人民元建て融資額と、9月の中国のマネーサプライ(M2)が発表される予定となっています。

コラム執筆:戸松信博