東京市場まとめ

1.概況

日経平均は前日比763円高の53,015円で続伸して寄付きました。前日の米国市場は下落したものの、トランプ米大統領がイランとの和平交渉進展を示唆したほか、イランがIMO(国際海事機関)加盟国に対し「非敵対的船舶」のホルムズ海峡通過を容認する姿勢を示したと伝わり、原油先物価格が下落。中東情勢の過度な警戒感が後退する中、半導体関連を中心に幅広い銘柄に買いが波及し、前日比1,364円高の53,616円で午前の取引を終えました。

後場は利益確定売りから上げ幅を縮小して始まったものの、米株価指数先物の上昇を背景に投資家心理が持ち直し、再び強含む展開となりました。最終的に前日比1,497円高の53,749円で大引けとなりました。

TOPIXは91ポイント高の3,650ポイント、新興市場では東証グロース250指数が16ポイント高の741ポイントでいずれも続伸しました。

2.個別銘柄等

note(5243)は前日比258円(11.6%)高の2,485円と急伸しました。KADOKAWA(9468)と資本業務提携し、同社を割当先とする第三者割当増資を実施すると発表したことが材料視されました。新株100万株を発行し、発行価額は1株2212円、調達額は約21億9600万円となり、M&Aや資本業務提携などに充てる方針です。短期的な希薄化懸念はあるものの、出版事業を手掛けるKADOKAWAとのシナジーによる成長期待が意識され、買いが優勢となりました。

東京海上ホールディングス(8766)は連日買い気配が続き、ストップ高水準となる前日比1,000円(14.6%)高の7,857円と大幅続伸しました。前日にストップ高水準で配分された流れを引き継ぎ、米投資会社バークシャー・ハザウェイによる出資を材料に買いが継続し、株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。バークシャーとの資本業務提携により、保険会社を対象とした共同M&Aや再保険分野での連携を進める方針で、収益拡大への期待が引き続き株価を押し上げています。

三井住友フィナンシャルグループ(8316)は前日比163円(3.2%)高の5,311円と続伸しました。米投資銀行ジェフリーズの買収検討が報じられたものの、材料視する動きは限定的で、中東情勢への過度な警戒感の後退を背景にメガバンク株全体に買いが入った流れに沿った上昇となりました。同社のジェフリーズ買収を巡っては不透明要因も多く、具体的な進展は確認されていません。一方、足元では銀行株の出遅れ感に着目した押し目買いや、期末配当の権利取りを意識した需要も株価を下支えしています。

東京エレクトロン(8035)は前日比1,230円(3.1%)高の40,360円と続伸しました。前日の米株式市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したことを背景に、半導体製造装置関連銘柄に買いが入りました。アプライド・マテリアルズ[AMAT]など米同業の上昇に加え、AI向け半導体需要の拡大期待も支援材料となっています。加えて、研究開発費や設備投資、採用計画をそれぞれ従来から約1.5倍に引き上げると報じられたことも好感され、成長投資の強化を評価する動きが株価を押し上げました。

マネーフォワード(3994)は前日比299円(8.9%)高の3,642円と急伸しました。米アクティビストのバリューアクトが株式保有比率を14.39%へ引き上げたことが明らかとなり、株主還元の強化や経営改革など企業価値向上への期待から買いが集まりました。保有比率は前回公表時の9.53%から大きく上昇しており、経営への関与強化も意識されています。株価はAIによる業務代替懸念から下落基調にあり割安感が指摘されていたこともあり、アクティビストの動きをきっかけとした見直し買いが入った形です。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は、米国とイランの停戦合意への期待を背景に投資家心理が改善し、大幅続伸しました。ただし、両国の主張には隔たりがあり、情勢の不透明感はなお払拭されていません。

明日は、停戦交渉の進展度合いを巡るヘッドラインに左右されやすい展開が見込まれます。交渉の難航が意識されればリスク回避の動きが強まりやすい一方、進展が確認されれば買い基調が維持される可能性があり、引き続きニュースフローに敏感な相場が続くとみられます。

(マネックス証券 暗号資産アナリスト 松嶋 真倫)