先週の中国株ですが、上海総合指数、深セン総合指数、創業版指数、香港ハンセン指数は揃って反落となりました。週前半は横ばい気味で推移したものの、7月9日(水)に大きく下落し、その後も週末まで軟調な推移となりました。中国本土の株式市場においては、週前半は9日(水)の経済指標発表を控え、様子見基調でしたが、李克強首相が第2四半期の経済成長率が第1四半期に比べて改善したとの認識を示したことなどから小高い相場展開となりました。ただ、李克強首相は従来のような大規模な景気刺激策は行わず、対象を絞った景気刺激策を重視するとも指摘しています。

しかし、9日(水)に発表された6月の中国の消費者物価指数と生産者物価指数はそれぞれ+2.3%と-1.1%となり、事前の市場平均予想である+2.4%と-1.0%を両者とも若干下回りました。その他、欧米市場の株価下落が影響したことに加え、不動産市況低迷が再び懸念される形で不動産株と、不良債権拡大懸念で銀行株がそれぞれ下落して株価指数の足を引っ張りました。さらに10日に発表された6月の中国の輸出入が予想を下回ったことから、週末にかけても軟調な地合が続きました。6月の中国の輸出は+7.2%で、5月の+7.0%は上回ったものの、事前の市場平均予想であった+10.4%を大きく下回りました。また輸入も+5.5%で5月実績の-1.6%は上回った物の、事前予想の+6.0%を下回りました。

香港株も中国本土株と同じような値動きとなりました。個別では、これまで業績の足を引っ張っていた石炭化学事業の売却発表により大唐国際発電(00991)が急騰する一方、中国の国営中央テレビ(CCTV)が中国銀行(03988)にマネーロンダリングの疑いがあると報じたことから、中国銀行(03988)が大きく下げています。今週は7月16日(水)に中国の1-6月の固定資産投資(1-5月実績+17.2%、市場平均予想+17.2%)、6月の小売売上高(5月実績+12.5%、市場平均予想+12.5%)、6月の鉱工業生産(5月実績+8.8%、市場平均予想+9.0%)、第2四半期のGDP(第1四半期実績+7.4%、市場平均予想+7.4%)が発表される予定で、それぞれ注目です。

コラム執筆:戸松信博