東京市場まとめ

1.概況

日経平均は487円高の49,113円と反発で寄付きました。24日の米国市場は主要3指数が揃って上昇し、この流れを引き継いだ日本市場は寄付き直後の9時3分に556円高の49,182円をつけ、本日の高値を更新しました。その後は節目の49,000円を挟んで一進一退の推移となりました。前引け直前に上げ幅を縮小した日経平均は189円高の48,815円で午前の取引を終えました。

後場は上げ幅を縮小してのスタートとなりました。株価指数先物への売りが波及し、下落に転じると先週末の終値である48,625円近辺で一進一退に推移し、最終的には33円高の48,659円で小幅に反発して取引を終えました。TOPIXは6ポイント安の3,290ポイントで続落しました。

新興市場では東証グロース250指数が13ポイント安の667ポイントで3日ぶりに反落となりました。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)は10.0%安の15,390円をつけ、大幅続落となりました。18日、アルファベット[GOOGL]傘下のグーグルが発表した生成AIの最新の基盤モデル「Gemini(ジェミニ)3」が高い評価を集めており、この分野で競合するOpenAIのビジネスに逆風になるとの懸念が強まる中、OpenAIへの出資を加速している同社株にも売りが出ました。

エーザイ(4523)は7.4%高の5,023円をつけ、3日ぶりに反発となりました。アルツハイマー病治療薬「レケンビ」を開発中である同社と競合するデンマークのノボ・ノルディスク[NVO]が、アルツハイマー治療薬候補の臨床試験(治験)で認知症の進行抑制に効果が得られなかったと発表したことから24日の米株式市場で大幅に下落し、エーザイには開発薬の優位性に期待した買いが入りました。

三井住友フィナンシャルグループ(8316)は0.2%高の4,457円をつけ、4日続伸となりました。22日、日本経済新聞は日銀の増一行審議委員が『利上げ判断が「近づいている」と述べた』と報じ、市場の利上げ観測の高まりやそれによる銀行セクターの利ザヤ改善の思惑が買い材料となりました。

アサヒグループホールディングス(2502)は2.3%高の1,789.5円をつけ、続伸となりました。21日、日本経済新聞は同社が『サイバー攻撃によるシステム障害を2026年2月にも復旧させ、商品の受注や出荷を通常の状態に戻すことを目指している』と報道し、これまで明らかにされていなかった復旧時期のメドが付いたことで、悪材料出尽くしとの見方から買いが入りました。

歯科機器メーカーのナカニシ(7716)は6.3%安の1,915円をつけ、大幅反落となりました。21日、国内証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「2(中立)」から最も低い「3(アンダーパフォーム)」に、目標株価を従来の3,000円から2,400円に引き下げており、これを嫌気した売りが出ました。アナリストは、『先行投資費用の増加や関税影響により、2026年1-6月期は前年同期比で減益になる可能性がある』と指摘しています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は前場上昇も、後場に伸び悩み最終的には、33円高と小幅な値動きとなりました。祝日明けの今週は、27日(木)が米国の感謝祭のため米株式市場は休場であることから市場参加者も少なく動きづらい展開が予想されます。

明日の材料には、9月の米小売売上高やPPI(生産者物価指数)の発表があげられるほか、半導体のアナログ・デバイシズ[ADI]やデル・テクノロジーズ[DELL]の決算発表予定があります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)