東京市場まとめ

1.概況

日経平均は119円高の48,822円と反発して寄付きました。前日には節目の49,000円を割り込み、約1ヶ月ぶりの安値をつけており、寄付きは自律反発狙いの買いが優勢となりました。一方で、早々に下落に転じると、9時19分に467円安の48,235円をつけ、本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、再び上昇に転じると前場は一進一退ながら上げ幅を拡大し374円高の49,077円で取引を終えました。

後場は再び下落基調での推移となりました。中ごろにかけては前日終値である48,702円を挟んで一進一退に推移すると、後半にかけて弱含み、最終的には165円安の48,537円と4日続落で取引を終えました。TOPIXは5ポイント安の3,245ポイントで4日続落しました。

新興市場では東証グロース250指数が5ポイント安の674ポイントで5日続落となりました。

2.個別銘柄等

イオン(8267)は一時5.3%高の2,663円をつけ、年初来高値を更新しました。AI関連銘柄の上値が重いなか、ディフェンシブ性が強い内需株が買われたほか、「自民党の小林鷹之政調会長が近くまとめる総合経済対策に関し、児童手当を所得制限なしで2万円上乗せする方向だと明らかにした」と伝わったことも買い材料となりました。

アドバンテスト(6857)は0.6%安の19,150円をつけ、続落となりました。18日の米株式市場ではエヌビディア[NVDA]など半導体関連が売られ、主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日比2.3%安と4日続落し、同指数は10月29日からの下落率が10%を超え、調整相場入りとなったことを受けて、日本の半導体関連銘柄にも売りが出ました。

大林組(1802)は2.6%高の2,903.5円をつけ、反発となりました。18日、国内証券が同社の目標株価を従来の2,930円から3,400円に引き上げたことが材料視され買いが優勢となりました。アナリストは、来期の営業利益は今期に一過性の利益計上がある反動で小幅減益を見込むが「中期では利益成長を予想する」と指摘しています。

ICTソリューションサービスを提供する扶桑電通(7505)は5.2%高の1,609円をつけ、3日ぶりに反発となりました。18日、2027年9月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を上方修正すると発表し、これを好感した買いが入りました。最終年度である2027年9月期の売上高を550億円、営業利益を22億円とし、従来計画からいずれも約2割引き上げています。

中古品の出張買い取りなどを手掛けるBuySell Technologies(7685)は9.5%高の3,915円をつけ、反発となりました。18日、外資系証券が目標株価を従来の4,600円から6,300円に引き上げ、好感した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は0.3%安と小幅ながら4日続落しました。明日の材料には、エヌビディア[NVDA]の決算発表があげられます。足元で調整色の強い半導体関連銘柄の反転材料となるか、先行きの受注動向などCEOの発言に注目が集まります。

そのほかには、本日大引け後に発表された東京海上ホールディングス(8766)、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)、SOMPOホールディングス(8630)の損保3社の決算結果への反応も注目されそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)