モトリーフール米国本社 – 2025年10月28日 投稿記事より
エヌビディアの出資でノキアの株価が急上昇
2025年10月28日(火)エヌビディア[NVDA]がノキア[NOK]に対して10億ドルの出資を行うという、テック業界を驚かせるニュースがありました。このニュースを受け、ノキア株は当日の取引で22.8%上昇し、時価総額は約418億ドルに達しました。これは10年以上ぶりの高水準となります。
この投資契約に加え、ノキアは自社の5Gおよび6G技術をエヌビディアのプロセッサ上で動作するようにカスタマイズする提携を進めています。両社はまた、人工知能(AI)関連の取り組みを支えるためのその他のネットワーク技術の開発にも共同で取り組む予定です。エヌビディアという強力な後ろ盾を得たことで、ノキアの株価は今後も持続的な上昇を続けることになるのでしょうか?
エヌビディアは、ノキアの成長を後押し
テクノロジー業界において、エヌビディアからの信頼の表明は非常に大きな意味を持ちます。その理由は明らかで、同社の先進的なグラフィックス処理装置(GPU)は、AIモデルやアプリケーションのトレーニングおよび実行に最適なハードウェアだからです。
ハードウェア業界をリードするエヌビディアは、AI革命を推進する先駆的な役割を果たしてきました。変革をもたらす可能性のあるAIのトレンドに参入するために、多くの企業がエヌビディアのプロセッサを購入しました。そのため、エヌビディアは驚異的な売上と利益成長を達成し、現在では世界で最も価値のある企業となり、2025年10月28日の取引終了時点で、同社の時価総額は約4兆8,900億ドルに達しています。
AIハードウェア市場におけるトップ企業であるエヌビディアは、より小規模なテクノロジー企業であるノキアの成長を後押しし、有望な分野へ容易に参入することができるよう支援する可能性があります。今回の株式取得は、AIの巨人であるエヌビディアがかつての携帯端末のリーダーであったノキアに何を見出したのか、という点で注目を集めています。エヌビディアは過去5年間、成長企業への投資において素晴らしい実績を残しており、これまで見過ごされてきたノキアの潜在的な可能性を見出したのかもしれません。
一方で、最近の動向からは、エヌビディアの投資が、必ずしもノキアの長期的な利益を保証するわけではないという点にも注意が必要と言えるでしょう。例えば、サウンドハウンド・AI [SOUN]やサーブ・ロボティクス[SERV]といった企業は、エヌビディアによる投資が発表された際には大幅な株価上昇を記録しましたが、その後の13F報告書でこれらの投資持分がすでに売却されたことが明らかになると、大幅な売りに見舞われました。
ノキアの5Gおよび6G技術が各社のIoTやロボティクス分野の取り組みに役立つか
全体的に見ると、エヌビディアによるノキアへの投資額は比較的小規模です。一方、両社の提携関係自体は、はるかに重要な意味を持つ可能性があります。ノキアの5Gおよび6G技術は、エヌビディアをはじめとする各社のIoT(モノのインターネット)やロボティクス分野の取り組みに役立つ可能性があるためです。
大規模言語モデルの登場によって、既にテクノロジー業界のソフトウェア分野は大きな影響を受けていますが、ロボティクスやIoT技術を推進する「現実世界のAI実装」は、依然として成長の初期段階にあるように見受けられます。ノキアは既に5Gおよび次世代ネットワーク技術においていくつかの重要な成果を上げており、その将来性も示してきました。今回のエヌビディアとの提携は、リスク許容度の高い投資家にとって、同社の株式を注視する価値があることを示唆しています。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Keith Noonanは、サーブ・ロボティクスの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はエヌビディアおよびサーブ・ロボティクスの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。
