色の定義は人によって違うと感じることが、案外多くあります。特にベージュ、グレー、カーキあたりは、人によってイメージがかなり違ったりすると感じることがしばしば。これは違う色に見えているのではなくて(もちろんその場合・可能性もありますが)、どちらかと云うとその色を何色と表現するかの定義が、人によって違うのだと思います。

或るモノがどういう色か、ということを人に伝える時は、脳を直結してコミュニケーションするのではなく、言葉を通じてコミュニケーションするので、その言葉への置き換え方でズレが生じる訳です。最近でも我が家の中で、私がグレーと表現するモノを、家族はえ?!緑でしょ、となるケースがありました。

しかし考えるに、同様のことは、人と人とのコミュニケーションに於いて、あらゆる場面で起きていると思われます。日本語同士でも起きますし、況んや母国語以外の言葉を使う場合には、コミュニケーションの両側で、全く違う、或いはやや違う概念を頭の中に展開していることが、かなり頻繁に起きていると思われます。そう考えるとちょっと空恐ろしいです。家族で同じ日本語で、単純にひとつの色でも食い違いが起きるのですから、外国語でのビジネスの話なんて、勝手な思い込みだらけなのではないでしょうか。

うー、こわっ!どうしたらいいかなぁ。「私の今云ったことって、こういうことなんだけどちゃんと分かってる?」と確認しても、言葉の定義がずれていると、全くぬかにくぎ状態です。敢えて色々と違う表現を使って何度も話し、三角測量的に精度を上げるしかないのでしょうか。今更ですが、この言語三角測量法技術を、高める工夫をしたいと思います。