先週の中国株ですが、上海総合指数とハンセン指数は反落、深セン総合指数と創業版指数は小幅続伸となり、全般的に大型株が反落し、中小型株は小幅高となっています。大型株の株価が軟調だった理由は中国経済の先行きに不透明感が出たためです。4月16日に発表された中国の2014年第1四半期のGDPの伸び率は前年同期比7.4%増となり、2013年第4四半期の7.7%から減速し、1年半ぶりの低い伸び率となりました。もっとも、事前のエコノミスト予想である7.3%増よりは若干良い数字でしたので、発表後、株価は全般的に小幅に上昇しました。しかし、予想よりも高かったが故に、追加の景気刺激策は遠のいたことになり、その後は再び中国経済成長への懸念が台頭してきたわけです。

一方、香港株においても中国の2014年第1四半期のGDP発表が相場に影響しました。事前予想が低かったため、発表前にこれまで上昇してきた中国株に利益確定売りが入りました。その後、発表されると前述のように予想よりも若干良い結果であったため、小反発となりました。しかし、香港株式市場は4月18日(金)から復活祭の祝日などで4連休となるため、長期連休前にポジションを大きく持つことが避けられ、その後は売買が手控えられて、週の取引を終えています。

そのほかの材料としては、先週もお伝えしましたが、上海と香港株式市場の相互乗り入れシステムについての期待感があげられます。銘柄数、取引量は限定されるものの、香港の投資家が上海市場へ、そして中国本土の投資家が香港市場にと、お互いに投資できるようになる見込みです。今回の上海~香港市場の相互乗り入れ制度は中国では「滬港通」(上海香港ストックコネクト)と呼ばれています。実現的には約半年の準備期間を要する見込みであり、すぐに相互取引が開始されるわけではありません。先々週の発表後には株価が上昇しましたが、今週は引き続きその詳細情報が待ち望まれている状況で、内容次第では、今後株価上昇のキッカケになってくると思われますので要注目です。

コラム執筆:戸松信博