モトリーフール米国本社 - 2025年5月20日 投稿記事より
米国の電力需要を最大限活用する上で優位性のあるネクステラ・エナジー[NEE]
投資家として賢明なことの一つは、今後数年間に平均以上の成長をもたらすメガトレンドに注目することです。主要な成長トレンドに焦点を当てたトップ企業は、長期的に力強い収益の成長とトータルリターンを達成する傾向があります。
米国の電力需要は、大規模な成長トレンドにあります。過去20年間ほとんど増加しなかった電力需要は、2040年までに55%増加すると予測されています。この需要増加の原動力となるのは、人工知能(AI)データセンター、輸送・交通の電化、製造業の国内回帰など、複数の要因です。こうした要因によって、米国は2030年までに450ギガワット(GW)という驚異的な規模の発電容量を新たに増強する必要があるとの見方が強まっています。
ネクステラ・エナジー[NEE]は、このメガトレンドを最大限に活用する上で有利な立場にあります。ネクステラ・エナジーの魅力についてみていきましょう。
再生可能エネルギーのリーダー
ジョン・ケッチャムCEOは、2025年第1四半期決算の電話会議で以下のように述べました。
「ネクステラ・エナジーは『あらゆる形態のエネルギー』を扱う典型的な企業です。再生可能エネルギーと蓄電で世界をリードしており、この分野を熟知しています。また、「ガス」にも精通しており、米国で最大規模のガス火力発電所群を運営しており、過去20年間で誰よりも多くのガス火力発電所を建設してきました。原子力についても、米国最大級の原子力発電所群を運営しており、熟知していますネクステラ・エナジーは、全米で何十年にもわたって成長を支えてきた実績があるため、「成長に対応する方法」を熟知しています」
ネクステラ・エナジーは足元で、米国全体で72GWの発電能力を有しています。同社はアメリカ最大の電力会社であり、北米を代表するクリーンエネルギー企業です。ネクステラ・エナジーの巨大な事業規模は、同社に大きな競争優位をもたらしています。
再生可能エネルギーの開発における長年の経験により、この分野におけるリーダー的存在となっています。同社は電力および商業・産業顧客の間で、再生可能エネルギー開発プロジェクトにおけるオリジネーターとしてNo.1の地位にあり、市場シェアの20%を占めています。
再エネ・原子力・AIデータセンターで成長を加速
ネクステラ・エナジーは、このセクターにおけるリーダーシップにより、将来的に事業と株主価値を成長させる上で有利な立場にあります。同社は2025年から今後4年間で、アメリカのエネルギーインフラに約1,200億ドルを投資する計画です。その資金は、再生可能エネルギープロジェクト(足元で、25GWを超えるプロジェクトが進行中)、送電線、その他のエネルギーインフラ・プロジェクトに投資されています。
同社はこれらの投資により、2027年まで調整後1株当たり利益が年間6%から8%の目標レンジの上限かそれに近い水準で成長すると見込んでいます。また、少なくとも2026年までは、1株当たり10%前後の配当成長も見込んでいます。同社の長期的な成長見通しも同様に明るいです。ネクステラ・エナジーは、開発中の再生可能エネルギーおよび蓄電プロジェクトのパイプラインを合計300GW有しています。
一方、同社は2025年初め、ガスタービン・メーカーのGEベルノバ[GEV]と提携し、両社の専門知識を活用して新たなガス発電所を建設しました。両社は2025年から数年をかけて、AIデータセンターのような大規模な電力購入者をサポートするために、自社で建設・所有するプロジェクトを選定していく予定です。ネクステラ・エナジーは、休止中の原子力発電所のひとつを再稼働させることを検討するとともに、「小型モジュール炉」技術の可能性も探っています。
ネクステラ・エナジーはS&P500を圧倒するトータルリターンを実現
ネクステラ・エナジーは2025年から数年間、平均を上回るペースで収益と配当を伸ばす可能性があります。このことは、同社が将来、株主のために大きな価値を生み出すかもしれないことを意味します。
過去20年間に、ネクステラ・エナジーは調整後1株当たり利益を年平均9%で成長させ、配当金を年率約10%で増加させてきました。こうした成長ドライバーは、市場を圧倒するトータルリターン(S&P500種指数が約10%であるのに対し、ネクステラ・エナジーは年率15%超)を実現してきました。
ネクステラ・エナジーは、米国内におけるクリーンエネルギー生産のリーダーです。その規模の大きさと各分野の専門知識は、将来予想されるエネルギー需要の急増を最大限に活用できる強固な立場にあります。この公益事業会社は、今後も平均を上回るペースで収益と株主価値を伸ばし続ける可能性があります。将来のリターンが過去の成功に匹敵する保証はありませんが、ネクステラは2025年現在、投資妙味のある投資先のひとつとなるかもしれません。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Matt DiLalloはネクステラ・エナジーの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はネクステラ・エナジーの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社はGEベルノバを推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。