東京市場まとめ

1.概況

日経平均は193円高の37,697円と続伸で寄付きました。関税を巡り、米中の初めての閣僚協議を終え、両国の対立が和らぐとの見方から幅広い銘柄に買いが入り寄付き後の9時のうちに223円高の37,726円と本日の高値をつけてのスタートとなりました。その後は一進一退となるも、次第に上げ幅を縮小し16円高の37,519円で前引けとなりました。

後場は寄りから売りが優勢で始まり、下落して取引を開始しました。12時38分には85円安の37,417円をつけ本日の安値を更新するも、海外短期筋による株価指数先物への買いが支え、後場寄りから1時間足らずで持ち直しました。後場後半は堅調な推移となりましたが、日米の関税交渉の進展を前に、上値の重さが意識され、最終的には140円高の37,644円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が0.7%高となる続伸で取引を終えています。

2.個別銘柄等

東急不動産ホールディングス(3289)は5.4%高の1,089円をつけ6日続伸となりました。2026年3月期(今期)の当期純利益は前期比9.6%増となる850億円を見込むとし、市場予想コンセンサスを上回る業績予想が好感され、買いが優勢となりました。また、今期の年間配当は前期から5.5円の増配となる42円と株主還元の拡大も買いを支えました。

ディー・エヌ・エー(2432)は16.4%安の3,035円をつけ3日ぶりとなる大幅反落となりました。2025年3月期(前期)の最終損益は241億円の黒字(前の期は286億円の赤字)と黒字転換を果たすも、今期の見通しは開示せず、また好調であったスマートフォン向けゲームPokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)も「前四半期比でやや減収」といった見通しが売りに拍車をかけました。

川崎重工業(7012)は4.6%高の8,652円をつけ大幅反発となりました。外資系証券が、目標株価を従来の10,000円から11,000円に引き上げ、強気な見通しを材料視する買いが入りました。投資判断は3段階中の最上位であり「買い」に据え置いています。

ユニ・チャーム(8113)は6.5%安の1,210.5円をつけ4日続落となりました。9日に2025年12月期(今期)の第1四半期決算を発表し、本業のもうけを示すコア営業利益は前年同期比22.7%減となる290億円と市場予想コンセンサスを下回る内容であったことが嫌気され、売りが優勢となりました。

ゲオホールディングス(2681)は16.3%安の1,632円をつけ大幅反落となりました。2026年3月期(今期)の営業利益は前期比2.2%増の115億円を見込むと発表しました。市場では任天堂(7974)の新型ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ・ツー)」関連として期待する買いが集まっていた中で、ガイダンスでの増益見込みが物足りなく、株価は弱含みました。

VIEW POINT: 明日への視点

半導体関連銘柄を中心に堅調に推移した日経平均は3日続伸で取引を終えました。今週は日本企業の決算発表がピークを迎え、株価を後押しする業績を示せるかに注目が集まります。

本日の大引け後には、オリックス(8591)、三菱地所(8802)、資生堂(4911)、明日の取引時間中には王子ホールディングス(3861)、INPEX(1605)、大成建設(1801)等の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)