相互関税発表前の水準を回復した日経平均、今後の値動きは?
4月22日時点となる前回のコラムでは、短期的なトレンドを示す5日移動平均線を下回るとともに5日移動平均線が下向きに変化していたことから、トレンド転換に注意が必要だと解説しました。ただし、モメンタムが上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っており、「下降トレンドが発生したとは判断できない」とも解説しました。
その後の日経平均の値動きを見ると、翌4月23日に窓をあけて5日移動平均線上を回復すると、4月2日と3日の間にあけた窓を埋め、4月28日にはトランプ米大統領が相互関税の詳細を発表する前の水準となる、4月2日の終値を上回って終えました。
このように、5日移動平均線とモメンタムを組み合わせることによって、お互いが弱点を補い合う関係が生まれ、売買判断を助けてくれることが分かります。
そうしたなか、今週は日銀金融政策決定会合が予定されており、結果と市場の反応が注目されます。仮にどのような結果であっても、日経平均株価が上向きの5日移動平均線上を維持するようなら、戻りを試す展開が続くことが考えられ、3月28日と31日のあいだにあけた窓を埋めることが期待されます。
一方で、上向きの5日移動平均線を下回って戻せなくなるようなら、下向きの25日移動平均線辺りまで反落したり、下回って22日と23日にあけた窓を埋めたりすることも考えられ、買いポジションを持っている投資家は売りそびれることがないように注意する必要がありそうです。

モメンタムが上下どちらに動き出すか注目の週
では、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょう? モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っているものの、もち合いが続いています。
そのため今後は、上下どちらに動き出すかが注目されます。ここでも、日銀金融政策決定会合の結果を受け、モメンタムとシグナルの両方が上昇して水準を切り上げるようなら、5日移動平均線上を維持して反発が継続し、3月28日と31日にあけた窓を埋めることが視野に入りそうです。
一方で、2本線が下向きに変化して低下したり、0ラインを割り込んで推移したりするようなら、下落の勢いが強まって5日移動平均線や25日移動平均線を下回ることが考えられ、リバウンド狙いの買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う必要があります。
大型連休の谷間となるなかトレンドを見失わないよう、移動平均線とモメンタムをしっかりチェックしたいところです。