マネックス証券が八戸にオフィスを構えたのは、今から16年前、2008年秋のことです。コンタクトセンターを立ち上げるために場所を探していた当時、東京と陸続きであること、大学があることなど、求める条件に合致したのが八戸でした。20名弱でスタートしたオフィスは、今やコンタクトセンターにとどまらず、さまざまな業務を担う拠点へと成長し、在籍人数は約90名にまで増えました。八戸に決めた理由のひとつに、当時の八戸市長・小林眞さんとの意気投合もありました。立ち上げ時から八戸市の皆さんには多くの協力をいただき、今の八戸オフィスの礎が築かれています。
そんなご縁があった中、今年4月、小林眞さんが八戸学院大学の学長に就任されたと聞き、早速あいさつに伺いました。当社では毎年のように八戸学院大学から新卒入社を受け入れており、卒業生も多く活躍しています。キャンパスを少し歩くと、若葉マークの付いた車が並び、季節の移り変わりを感じました。さらに、入学までに免許を取得できなかった学生のために、三沢自動車学校が大学までバスを運行している光景も目にしました。都会では見られない、地域に根ざした学生生活の一端に触れ、新鮮な気持ちになりました。
当社グループは今年度、「AIを活用して仕事の生産性を高め、効率化を図ること」を目標の一つに掲げています。しかし、最近の調査では日本人の生成AI利用率は約10%程度と、世界平均に比べてかなり低い水準にあるそうです。そんな中、最も生成AIを活用しているのが学生世代です。一昨日の訪問でも、「最近の学生は皆、AIをうまく使いこなしている」という話題で盛り上がりました。
インターネットが生活に密着して育った世代が社会人になったときに、仕事への価値観や効率化の感覚に違いが生まれたように、AIに親しんだ世代が社会の中核を担うようになれば、また大きなパラダイムシフトが訪れるでしょう。未来を切り拓く力を持った学生たちが、その個性を十分に発揮できる場として当社を選んでもらえるよう、私たちも積極的に新しい技術を取り入れ、変化を続けていかなければならないと、改めて感じました。
さて、マーケットは大変激しい動きになっていますが、来週は米国出張が控えています。さまざまな混乱が続く今、世界を揺るがす震源地であるアメリカの現地の様子を肌で感じ、幅広い方々と意見交換しながら、短期・長期双方の視点で「今、何をすべきか」を考えていきたいと思います。
- 清明 祐子
- マネックスグループ 代表執行役社長CEO/マネックス証券株式会社 取締役社長執行役員
-
2001年4月株式会社三和銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)入行、2006年12月に株式会社MKSパートナーズに転じ、2009年2月にマネックス・ハンブレクト株式会社(2017年マネックス証券と統合)入社。2011年6月マネックス・ハンブレクト株式会社代表取締役社長を経て、2013年3月 マネックスグループ執行役員、2016年6月グループ執行役、2019年4月マネックス証券株式会社代表取締役社長に就任。2020年1月グループ代表執行役COO、2021年1月グループ代表執行役COO兼CFOに就任。2021年6月グループ取締役就任、2022年4月グループ取締役兼代表執行役 Co-CEO兼CFO就任、2023年6月より取締役兼代表執行役社長CEO(現任)。2024年1月マネックス証券取締役社長執行役員。