すべての移動平均線が上向きに変化
前回のコラムでは5日、25日、75日と、3本すべての移動平均線を下回っていたことから、下放れへの警戒が必要としました。しかし、祝日明けとなる2月12日に続伸すると、13日にはついに3本すべての移動平均線を上回りました。
また、2月18日時点で、上向きの5日移動平均線が75日と25日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生しています。そうしたなか18日は上ヒゲを形成し、上値を押さえられて終えていますが、各移動平均線の向きに変化が表れてきました。
それは、18日に上ヒゲを形成して終えていることから上値が重たく見えますが、これまで下向きを続けていた25日移動平均線がようやく上向きに変化し、ついに3本の移動平均線が上向きに変化して終えているのです。
そのため、5日移動平均線上を維持できるかが、今後の注目ポイントになると思われます。仮に5日移動平均線上を維持するようなら、すべての移動平均線の上向きが継続して4万円に接近したり、上回ったりすることが視野に入ると思われます。
一方で、5日移動平均線上を維持できずに割り込んで戻せなくなるようなら、逆にすべての移動平均線が下向きに変化して、38,000円辺りまで下落することが考えられるため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。

モメンタムが0ラインを上回って上向きに変化
では、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムの水準や方向はどうなっているのでしょうか。モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方を見ると、わずかですが、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ラインを上回って18日の取引を終えているのが分かります。
こうした状況から、モメンタムとシグナルの両方が上昇を続けるかどうかが今回の注目ポイントです。仮に2本線が水準を切り上げるようなら、上昇の勢いが強まって5日移動平均線上を維持するとともに、4万円に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。
その反面、2本線が低下して、0ラインを下回ったり、下回ったまま低下が続いたりするようなら、下落の勢いが強まって接近する5日、25日、75日と、3本の移動平均線を一気に下回って下降トレンドが発生することも視野に入ります。そのため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に要注意です。
長い間もち合いが続く日経平均株価ですが、上昇に向けた条件が揃いつつあるなか、上放れに向け正念場に差し掛かっていると考えられます。トレンドに加え、モメンタムの向きと水準にも注意し、売買判断に役立てたいところです。