東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、続落となりました。前日の米国市場にて、半導体関連株が下落したことで日経平均も92円安の39,888円と売りが先行して取引を開始しました。米国の対中輸出規制強化に関する報道もあり、前場は総じて軟調に推移し302円安の39,678円で前引けとなりました。

後場に入ると一段安となり、13時5分には596円安の39,385円まで下げ、本日の安値を更新しました。安値からは持ち直し、15時台には前場終値付近まで下げ幅を縮めるも、9日の米国市場がカーター元米大統領の追悼のため、休場となることから、持ち高調整のための売りが出やすく最終的には375円安の39,605円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が3日ぶりに小幅に反落し取引を終えています。

2.個別銘柄等

米港湾におけるストライキの回避報道を受けて海運株が軒並み下落となりました。川崎汽船(9107)は5.8%安、日本郵船(9101)は5.2%安、商船三井(9104)は4.5%安で取引を終えています。米国海運連合と、北米東岸諸港の労働組合で構成される国際港湾労働協会はストライキの回避で合意したと伝わってことで、コンテナ船運賃の上昇期待が剥落し、失望売りにつながりました。

サイゼリヤ(7581)は7.3%安の大幅下落、3日続落となりました。8日に発表した第1四半期決算にて、当期純利益は前年同期比1.7%減の26億円と減速感がうかがえたことや、決算内容を受けて一部の証券会社が目標株価を引き下げたことが株価の重石となりました。

アパレル大手のワールド(3612)は一時11.0%高となる2,723円をつけ、昨年来高値を更新する場面が見られました。8日に通期の当期純利益が従来予想から26億円の上方修正となる111億円となる見込みとし、併せて期末配当を従来から5円増額する43円を見込むとしたことが好感されました。

スキマバイトサービスを展開するタイミー(215A)は1.2%高をつけ、5日ぶりに反発し取引を終えました。8日にタイミーの累計登録者数が1,000万人を超えたと発表し、事業の進展を好感した買いが集まりました。

医療機器メーカーのマニー(7730)は一時14.9%安をつけ、昨年来安値を更新する場面が見られました。8日に第1四半期決算を発表するも、営業利益が前年同期比5.2%減の21億円と、市場予想に反して減益となったことが嫌気されました。

そのほかの銘柄では、投資判断と目標株価の引き上げが明らかとなった、ふくおかフィナンシャルグループ(8354)が1.2%高で続伸、ウェディング事業を展開するテイクアンドギヴ・ニーズ(4331)が配当方針の指標として株主資本配当率(DOE)を採用すると発表し、株主還元の強化が評価され3.5%高、3日続伸で取引を終えました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は0.9%安で続落となりました。今晩の米国市場は休場のため、持ち高調整の売りが出たものと考えられます。明日に向けて、引け後の小売大手の決算に注目です。ファーストリテイリング(9983)、セブン&アイホールディングス(3382)の9-11月期決算の発表が予定されており、セブン&アイホールディングスにいたっては買収提案に関するアップデートがあるかに注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)