東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに大幅反発となりました。前日の米国ハイテク株高の流れを引継ぎ277円高で寄付いた日経平均は、その後も半導体関連株に買いが入り上げ幅を広げました。外国為替市場での円安進行を背景に輸出関連株を中心に上昇し、相場を押し上げました。メガバンクの上昇なども追い風となり日経平均は大台の4万円を回復すると、前場は957円高の40,264円で取引を終えました。
後場に入ると上昇の勢いは一服となりました。取引終盤にかけて上げ幅を縮めると結局776円高の40,083円で取引を終えました。終値ベースでは昨年の12月27日以来3営業日ぶりに4万円台を回復しました。
新興市場では、東証グロース250指数が1.0%上昇し3日ぶりに反発しています。
2.個別銘柄等
アップル[AAPL]やエヌビディア[NVDA]に製品を提供する台湾電機大手の鴻海(ホンハイ)精密工業の2024年10-12月期の売上高(速報値)が過去最高となったことを受け、6日の米株式市場で半導体関連株に買いが集まりフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%強上昇していました。
東京市場でもこの流れを引継ぎ半導体関連株に買いが集まりました。東京エレクトロン(8035)は11.2%上昇し、日経平均採用銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。その他、KOKUSAI ELECTRIC(6525)は11.0%上昇、ディスコ(6146)とルネサスエレクトロニクス(6723)は7%以上上昇、レーザーテック(6920)とSCREENホールディングス(7735)は5%超上昇、SUMCO(3436)とアドバンテスト(6857)は4%超上昇となるなど、軒並み大幅高となりました。
また、金融規制強化に前向きだったFRB(米連邦準備制度理事会)のマイケル・バー副議長(金融監督担当)が辞任の意向を公表し、規制緩和への期待が高まったことで、6日の米株式市場で銀行株が上昇した流れが国内市場にも波及し、メガバンクが大きく上昇しました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は一時4.1%上昇、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は一時3.4%上昇、みずほフィナンシャルグループ(8411)は一時2.9%上昇し、揃って昨年来高値を更新しました。
外国為替市場での円安進行を背景に自動車株も買われました。トヨタ自動車(7203)と本田技研工業(7267)は1%以上上昇し、日産自動車(7201)も1%近く上昇しています。
京セラ(6971)は、電子部品や半導体関連部品などで採算が悪化している事業の売却を検討するとの報道が伝わったことが好感され、8.0%上昇となりました。
一方、海運株は下げ、川崎汽船(9107)が一時5.2%下落したほか、日本郵船(9101)は一時3.7%下落し、商船三井(9104)も一時3.2%下落するなど、いずれも7日ぶりに反落となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均株価は、前日の米国ハイテク株高を受けて大幅に上昇し、昨年の12月27日以来3営業日ぶりに終値ベースで4万円台を回復しました。明日以降、4万円以上で値固めができるかに注目が集まります。
こうしたなか、米投資ファンドKKRが傘下の総合スーパー「西友」の売却を検討しているとの報道が伝わっています。株式売却に向けた入札ではイオン(8267)やパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)が応札したもようです。このほかにも今週は国内小売関連企業の決算発表が相次ぐ予定で、小売関連株の値動きにも注目です。
また、本日夜には米国でISM非製造業景気指数とJOLTS求人件数の公表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)