運用リスクを変えずに、最終的な資産額を高めたいのであれば、積立金額を増やすのが王道です。「運用利回り年3%」でも、投資元本が増えれば、運用から得られる金額も当然増えます。
毎月3,000円・5,000円・1万円・3万円・5万円で20年間積立投資をした場合
毎月の積立金額が月3,000円・5,000円・1万円・3万円・5万円で、20年間積立投資を行った場合を具体的に確認してみましょう。
各金額で20年投資した場合の元本合計は、
・月3,000円→72万円
・月5,000円→120万円
・月1万円→240万円
・月3万円→720万円
・月5万円→1200万円
となり、いずれもNISAの生涯投資枠(1800万円)の範囲内です。

資産額は積立金額が多いほど多くなっていることがわかります。20年後の運用益は月3,000円だと26万円なのに対し、月5万円の投資ならば442万円ですから、積立金額を増やせるのであれば、増やした方が良いことはわかります。
段階的に積立金額を増やし、積立期間も増やす場合
しかし、「月5万円」という積立金額は、若い時期や子育て期の人にとっては捻出するのが厳しい金額かもしれません。とはいえ、いつまでも少ない積立金額ままでは、まとまった資産を築けません。よって段階的に積立金額を増やしていくという方法を取るのが1つの手です。また、積立期間を20年と限定せずに、もっと延ばすというのも手立ての1つです。
そこで、
・新卒の22歳から3年間は月5,000円
22歳~25歳までの3年間:5,000円×12ヶ月×3年=18万円
・30代になるまでは月1万円
25歳~30歳までの5年間:1万円×12ヶ月×5年=60万円
・30代と40代は月3万円
30歳~50歳までの20年間:3万円×12ヶ月×20年=720万円
・50代は月5万円
50歳~60歳までの10年間:5万円×12ヶ月×10年=600万円
という具合に段階的に積立金額を増やし、目標利回り3%だった場合の資産額を見ていきましょう。積立元本合計は1398万円ですので、NISAの生涯投資枠の範囲内です。

22歳から38年後の60歳時点の資産額は2240万円となっています。運用益は842万円の計算です。積立金額の増額及び積立期間を延ばしたことで、後半の資産の伸びが加速しています。いわゆる「老後資金2000万円」もクリアしています。
はじめは無理のない金額からスタートし、昇給などに合わせて投資金額を増やしていく戦略でも、長く積み立て・運用を続ければ十分な資産を築けることがわかります。