まだ手袋をするには早いでしょうか。冷えは美容の大敵、手足を冷やしたくないので私はすでに皮の手袋を引っ張り出して使っています。先週末、広島出張の道中、2回も「手袋落としましたよ。」と通りすがりの親切な方に片手袋を拾っていただきました。コートの片方のポケットにハンカチが入っていて、そちらに入れておいた手袋が押し出されて落ちてしまったようです。日本はいい国です。手袋どころかお財布を落としたとしても拾って声がけしてくれる人がいます。ハンカチはコートのポケットにいれるのをやめよう、と誓った旅路でしたが、もし誰も気がつかないような場所、タイミングで落としてしまったらそのまま手袋は落ちたまま「片手袋」となってしまうところでした。そこで思い出したのが「片手袋研究家」の石井氏。
いつだったか、たまたま「マツコの知らない世界」というテレビ番組でお見かけした石井公二氏。道に落ちている片手袋が気になって、落ちている手袋を20年あまりも撮影し続けている方です。車道で車に踏みつけられてぺしゃんこになっていたりと、片手袋ってどうしても悲哀に満ちたイメージですが、親切な人が拾い上げて近くの街路樹の枝に引っ掛けてくれていたり、パイロンの先っぽに被せてあったりと、よくよくみればいろんなパターンがありますね。
石井氏は、その手袋の色やデザインから落とし主が想像できるだけでなく、拾い上げてそれを見つけやすいところに飾ってくれる親切な人がいるところまで、片手袋1つから想像が無限に膨らむ、というのです。タクシー乗車中に片手袋を見つけると帰宅してからわざわざ片手袋が落ちている場所に自転車漕いで戻り撮影してしまう、というエピソードに笑い転げたのですが、危うく私の皮の手袋も石井氏の研究対象となるところでした。
これからの季節は、片手袋に出会う機会が増えるでしょう。自分の手袋が研究対象にならないように気をつけたいですね。