新年明けましておめでとうございます。昨年不振だった中国株は、2014年こそ飛躍の年と考えております。今年も1年どうぞ宜しくお願い致します。さて、中国、香港では1日のみが休日で、年末年始も1日以外は取引が続いています。その先週の株価動向は、上海総合指数と香港ハンセン総合指数は下落、一方で深セン総合指数と創業板指数は上昇という結果になっております。特に香港ハンセン指数は1月3日(金)に大きく下落し、反対に創業板指数は大きく値を上げています。

香港ハンセン指数が大きく下落した理由ですが、年初の取引日となる1月2日(木)に米国株が下落したことに加え、中国のPMIが低調だったことが原因です。中国のPMIについてですが、1月1日に発表された中国の公式製造業PMIは51.0となり、景況感の境目である50は上回ったものの11月の51.4から低下しています。そして、2日発表されたHSBC中国製造業PMI確報値は50.5で、こちらもやはり11月の50.8から軟化しています。さらに3日に発表された12月の公式非製造業PMIが54.6となり、10月の56.3や11月の56.0に対して大きく下落しました。これらの一連の指標から、2013年7月に行われた小規模景気刺激策の効果が途切れたのではないかとの見方が拡がり、中国経済の先行きに懸念が出たわけです。もっとも、年末年始で投資家が完全には休暇から戻ってきていないので、プレーヤー不在の中での大幅下落にそれほど気を揉む必要は無いとする考え方もあります。

 一方、創業板指数についてですが、こちらは中国がIPOの承認を再開したことで、新興企業向け市場の創業板が注目され、資金が流入して活況になるとの観測によるものです。中国当局は5社の中国企業の上場を承認しており、これら5社は1月2日から投資家への説明を行っています。5社のうち3社は創業板に上場します(残りは上海証券取引所に1社、深セン証券取引所の1社)。これに加え前述のとおり、中国のPMIが低調だったため、大型株が売られ小型株が買われる流れが出来たことも創業板指数が大きく上昇したことの一因となっています。

コラム執筆:戸松信博