5日移動平均線上を維持できるかが反発継続のカギ

前回のコラムではウエッジ型のもち合いを下放れたことから、下降トレンド発生に対する警戒が必要だと解説しました。

ただ、「上向きの200日移動平均線上を維持できれば、長期の上昇トレンドが継続することになり、終値で4万円台を回復することも期待されます」とも解説しましたが、ウエッジ型のもち合いを下放れてから、下向きに変化した5日移動平均線が上値を押さえる格好となり、200日移動平均線を下回る場面がありました。

10月27日に行われた衆議院選挙は、事前の予想で与党が過半数を確保できないのではないかといった見方が広がり、200日移動平均線を下回るまで売られていました。選挙の結果、予想通り与党が大敗して過半数を確保できなかったことから下落して始まったものの、市場は織り込み済みとなって切り返し、大幅高となりました。200日移動平均線や75日、5日と、3本の移動平均線を一気に上回っているのが分かります。

さらに翌営業日も続伸したことから、前日まで下向きだった5日移動平均線が上向きに変化しています。こうした状況から、5日移動平均線上を維持できるかが今後の注目ポイントになりそうです。仮に5日移動平均線上を維持するようなら、上昇トレンドの回復と4万円台回復も視野に入ってくるでしょう。

一方で、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなったりするようなら、再び200日移動平均線を下回ることが考えられ、下降トレンドの発生に注意が必要になってきます。

【図表】日経平均(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムが0ラインを上回って維持できるかに注目

続いて、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの2本線が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回って推移しています。

こうした状況から、2本線が上向きに変化して0ラインを上回るかが今後のカギになりそうです。仮に2本線が上昇して0ラインを上回るようなら、上昇の勢いが強まるとともに5日移動平均線上を維持して反発が継続しそうです。一方で、2本線が上昇しても限定的だったり、下向きに変化して低下したりするようなら、下落の勢いが強まって5日や200日移動平均線を下回ることが考えられ、下降トレンドの発生に要注意です。