【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,514.95  ▼409.94 (10/23)
NASDAQ: 18,276.66  ▼296.47 (10/23)

1.概況

米国市場は主要3指数が揃って下落しました。ダウ平均は90ドル安で取引を開始し、終日軟調な展開となり、一時は下げ幅が631ドルを超えました。終盤にかけては、ベージュブックで米経済が概ね良好な状態であることが報告されたため、下げ幅を縮めましたが、最終的には409ドル安(0.95%安)の42,514ドルで取引を終え、3日続落となりました。11月5日に控える米大統領選挙を前に、ダウ平均は最高値圏で推移しており、短期的な過熱感から利益確定売りが出ました。また、長期金利の上昇により、ハイテク株を中心に下落が見られたほか、マクドナルド[MCD]が5%以上下落するなど個別材料で大きく売られた銘柄もダウ平均を押し下げました。また、S&P500株価指数は53ポイント(0.91%安)の5,797ポイントで取引を終えました。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も、金利上昇の影響を受け大きく下落し、296ポイント安(1.59%安)の18,276ポイントで取引を終え、6日ぶりに反落しました。

2.経済指標等

9月の中古住宅販売件数は、前月比-1%の384万戸となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は、全11業種のうち不動産と公益事業の2業種が上げ、いずれも1%超上昇しています。一方で、9業種が下げ、一般消費財・サービスが2%近く下落したほか、情報技術とコミュニケーション・サービスが1%超下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では4銘柄が上昇しました。特にベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]は、決算で売上高が市場予想を下回ったことで前日に5%以上下落した反動で、3%超上昇しました。また、ウォルマート[WMT]とジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]も1%以上上昇したほか、アイビーエム[IBM]も小幅に上昇しました。一方、26銘柄が下落しました。特にマクドナルド[MCD]は、米国疾病予防管理センター(CDC)が同社のハンバーガーに関連した大腸菌感染症が発生していると報じたことを受けて、5.1%下落しました。また、スリーエム[MMM]が3%近く下落し、アマゾン・ドットコム[AMZN]やアップル[AAPL]、コカ・コーラ[KO]なども2%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、エーティー・アンド・ティー[T]が第3四半期決算で売上高は市場予想を下回ったものの、EPSが市場予想を上回り、4.6%上昇しました。また、ノーザン・トラスト[NTRS]も第3四半期決算でEPSが市場予想を上回り、7.0%上昇し、S&P500株価指数構成銘柄で値上がり率トップとなりました。そのほか、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、フロンティア航空が経営難にあるスピリット航空[SAVE]への新たな買収提案を検討していると報じたことを受け、スピリット航空の株価は46.0%上昇しました。一方、テスラ[TSLA]は第3四半期決算を直前に控え、2.0%下落しました。なお、日本時間10月24日午前5時過ぎに発表された決算でEPSが市場予想を上回ったため、時間外取引で大幅高となっています。また、クアルコム[QCOM]は、アーム・ホールディングス[ARM]が同社の知的財産をチップ設計に利用するライセンス契約を取り消す意向であることが報じられ、両社間の対立が激化した結果、クアルコムは3.8%下落し、アーム・ホールディングスの米国上場株も6.7%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%上昇して4.24%となりました。ドル円は円安方向に動き、一時153円を突破しましたが、朝方は152円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株安を受けて、下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)