今朝の新聞によると、FRBが米国の上位30から50の金融機関に劣後債を発行することを義務付けることを検討しているらしいです。何と素晴らしいアイデアでしょうか。
各金融機関の評価を、当局によるお墨付きではなく市場のプライシングに委ね、その評価を勝ち得ようとする金融機関の自己努力を自然と引き出し、また市場の信任を得られなかった金融機関は調達コストの上昇により自然と退場を強いられる。資本市場の原理に沿った、透明で効率的な手法です。これは私が記憶する限りでは、実は5年ほど前に当時のNY連銀の副議長だったアラン・フィッシャーによって唱えられ、バーゼル委員会によって採択されたフィッシャー・リポートと極めて似た考え方です。当時も私はその先進性と論理性に痛く感心しましたが、残念ながらどういうわけかフィッシャー・リポートはあまり陽の目を見ませんでした。今度こそこの考え方には広く浸透してもらいたいと思います。