今朝の新聞によると、FRBが米国の上位30から50の金融機関に劣後債を発行することを義務付けることを検討しているらしいです。何と素晴らしいアイデアでしょうか。
各金融機関の評価を、当局によるお墨付きではなく市場のプライシングに委ね、その評価を勝ち得ようとする金融機関の自己努力を自然と引き出し、また市場の信任を得られなかった金融機関は調達コストの上昇により自然と退場を強いられる。資本市場の原理に沿った、透明で効率的な手法です。これは私が記憶する限りでは、実は5年ほど前に当時のNY連銀の副議長だったアラン・フィッシャーによって唱えられ、バーゼル委員会によって採択されたフィッシャー・リポートと極めて似た考え方です。当時も私はその先進性と論理性に痛く感心しましたが、残念ながらどういうわけかフィッシャー・リポートはあまり陽の目を見ませんでした。今度こそこの考え方には広く浸透してもらいたいと思います。
市場に委ねる
松本大のつぶやき

- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
- ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。
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