かつて「ドリーム・チーム」と言われ、ノーベル賞受賞者2名を擁した、伝説のトレーダー、ジョン・メリウェザー率いるヘッジ・ファンド「LTCM」が、ロシア危機などを契機に大損失し、欧米の金融機関から36億ドルの緊急出資を受けたのは昨年の夏のことでした。
かつてソロモン・ブラザーズにいた頃、彼らの教育を受け、彼らのために働いたことのある私にとって、それは衝撃的な、そしてある意味でノスタルジックな出来事でした。「ひとつの時代が終わった」と。
しかし今日の日経新聞によると、その36億ドルのうち7割強を既に返済し、近く6億ドル強も返し、それで9割を返済すれば新規資金の導入を認めるという条件を満たし、新たなファンド「JWMパートナーズ」を近々設立するということです。いやはや、あっぱれとしか言いようがありません。しっかりと借りを返し、そしてまたあくなき挑戦に挑む。私にとっての先生でありヒーローであったJMとその仲間たちは、やはり私にとっては永遠のヒーローです。たとえ今回のファンドで失敗することがあっても。