煙草の煙は紫煙ですが、一旦吸われて吐かれた煙は白煙です。これは気管の中で水分が煙の粒子に付着して粒子が大きくなるためです。吸う前の小さな粒子は波長の短い紫色だけを反射し、吸った後の大きな粒子は長い波長も含めて反射するので白く見えます。
同じ理由で空に泳ぐ小さな粒子に青い光が乱反射し空は青く見えますが、逆に空に散る多くの粒子を通り抜けて来なければならない夕陽は、長波長の赤色となります。ネットの世界ではいろいろな情報が氾濫しています。お客様のニーズもいろいろな形で観測されます。掲示板上にあるもの、直接弊社に送られるもの。でも全ての人の意見を含んだ本当の色は、紫色でもなく、赤色でもなく、やはり白色なのだと思います。どのようにこの白色光(全ての波長を含んだ光)を理解して行くかは、大きな課題だと思っています。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。