兵庫県の信用組合が、例のP債で損失を出し、破綻申請しました。99年3月末の預金残高が445億円、購入したP債が約40億円と報道されています。預金額の10%をひとつの仕組み債に投資していた訳です。これは明らかにバランスが悪いと思います。そもそも個人金融資産の90%が預貯金、生命保険などに在るのもバランスが悪いと思いますし、一方その資金を運用している銀行・生命保険などの資産の在り場所もかなり偏っています。このような偏りが大きく是正して行く過程がこれから始まるべきですし、始まるのでしょう。微力ながら、その動きの推進力に僅かでもなりたいというのがマネックスの考えです。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
-
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。