2024年8月15日(木)8:50発表
日本 2024年4-6月期のGDP
【1】結果:実質GDPは市場予想を上回る、個人消費が寄与
2024年4-6月期の国内GDPは、前期比年率3.1%とBloombergが集計する市場予想2.3%を上回り、2四半期ぶりにプラスの結果となりました。自動車の認証不正問題による工場稼働停止が続いていましたが、再開に伴って個人消費や設備投資が増加し、GDPのプラス転換に寄与しています。個人消費は、高水準であった本年の春闘の結果を受けた賃上げや定額減税の効果による所得環境の向上もあって、2023年3月以来、5四半期ぶりのプラス寄与となっています。その他にも、輸出や官公需がプラス寄与しています。
【2】内容・注目点:名目GDP初の600兆円台、内需株に注目
名目GDPが前期比1.8%増で607.9兆円と初の600兆円台に到達しました。足元のインフレも寄与し、年率換算すると7.4%と大きく増加しています。図表3からも名目GDPはコロナ禍以降、着実に増加していることがわかります。名目ベースである株価とも相関が高く、国内総生産が堅調に伸びてきていることは1つポジティブな要素となるでしょう。
また、足元では、円高に推移したことから、輸出関連株が売られていますが、GDPの推移をヒントに内需株を改めて注目してみるのも良いと考えています。
【3】所感:賃上げによる消費マインドの改善に期待
7-9月期のGDPも高水準であった賃上げ実績を背景とし、消費はプラスに推移するとの見方が優勢です。足元の家計の消費マインドを確認すると、消費者態度指数からは、一進一退ながらも少しずつ改善している様子で、一方で景気ウォッチャー調査における家計の現況判断のトレンドは下落基調が続いています。
6月の毎月勤労統計調査において、ボーナス含め大きく賃金増加し、また実質賃金もプラス転換したことなどが家計のマインドを改善させると考えられますが、先行きの不透明感から家計防衛として消費を控える可能性もあり、マインドの改善も期待したいと思います。
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太