先週は、相場急落で始まり、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」で終わるという、波乱に満ちた一週間でした。この南海トラフ地震注意報により、備蓄品の品切れや旅行計画の変更・中止が相次いだようです。私は予定通り先週末に関西に行き、昨日、東海道新幹線で東京に戻りましたが、地震注意報を受けて一部区間で減速運行が行われていました。車内で減速運行のアナウンスはあったものの、体感としては普段と変わらず、特に減速を感じることはありませんでした。その結果、東京駅には約5分遅れで到着しました。

減速運行の目的は、巨大地震発生時に速やかに停車できるようにすることだと思いますが、もっと減速した方が安全ではないかと感じました。とはいえ、多くの人が移動するお盆時期ということもあり、10分以内の遅れにとどめるという判断がなされたのかもしれません。一般的に、新幹線の制動距離は3~4kmと聞きます。今回の対応を調べてみると、最高時速285kmから最大で時速235kmまで減速して運行しているという記事がありました。この減速により、急ブレーキをかけてから停止するまで、時間にして十数秒、制動距離は1kmほど短縮されます。劇的な変化ではないものの、一定の安全性向上が期待できる対応だと思います。「意味がない」との声もあったようですが、何よりも、有事に備えた多層的な対応の一環として、こうした取組みを受け入れ、慣れていくことが重要だと思います。

日本の公共交通機関は非常に優れた運行管理が特徴で、多数の列車が運行されているにもかかわらず、ほとんど時刻通りに運行されます。これに比べ、海外では時刻通りの運行は珍しいことです。自然災害含め、予測できない事態が多発する時代ですから、常に備えを意識し、そのために許容できることは許容するという社会を築く必要があると思います。

そんな中、昨夜、台風7号の接近に伴い、8月16日(金)の東京~名古屋間の新幹線が終日運休になるとのアナウンスがありました。なんと、明日は静岡出張の予定があったのですが、ミーティングをオンラインに切り替えることにしました。私は代替案があるから良いものの、夏休みからの帰路に影響を受ける方も多いでしょう。外国人観光客も混乱しそうです。それでも、こうした予測できない事態に慣れ、柔軟に対応し、常に改善を図っていくことが求められます。

さて、株式相場は先週の波乱とは打って変わって落ち着きを取り戻していますが、予測できないことは依然として起こり得ます。米国経済やアメリカ大統領選の行方により変動するでしょう。日本国内でも岸田首相が自民党総裁選に出馬しない旨を発表しましたが、引き続き資本市場改革が推進されるのか、とても気になります。不安定な状況においては、リスク分散の重要性が再認識されます。不測の事態に備えることが日常になりつつある今、資産形成も日々の生活も、うまくリスクを管理し、備えておくことが、最善の道だと感じます。