・7月11日にあったとみられる為替介入以降、米ドル円は下落基調をたどっている。「7月の円高」は、2022年、2023年に続き3年連続だ。投機筋のドル買い・円売りポジションは2024年7月上旬に18万枚あったのが、7月第4週には10万枚まで縮小している。

・米ドル安・円高の背景として、7月31日の日銀金融政策決定会合における利上げへの意識があるとされる。政策金利を反映する日米2年債金利差は5~6月も縮小していたが、米ドル高円安は進行していた。しかし、7月に入り、金利差縮小と米ドル円の下落が連動するようになった。投資家が夏休み前にドル買い・円売りのポジション調整をする中、金融政策決定会合への意識が為替相場へ敏感に反応するようになっている。

・足元、米ドル円相場は120日MA(移動平均線)を下回っている。過去に120日MAを下回る局面では、ドル買いポジションの手じまいが起きていた。

・2022年、2023年の7月は円高進行後、8月に円安に転じた。過去2年の「7月の円高」では、米ドル円が120日MAを上回っていた。2024年7月はこの点が異なり、潮目が米ドル安・円高に変わったのではないか。