直近2年の内需株は、夏場から10月末頃まで堅調な推移

日経平均は7月上旬には円安基調の中で3月の高値を上回り、再び史上最高値を更新しました。しかしその後、円高とともにスピード調整が一気に進み、6月安値(38,102円)を下回る展開になりました。

目先としては自律反発が期待できるものの、6月安値を割り込んだ影響はしばらく続く可能性が高いでしょう。日経平均に対して影響が大きい外需の半導体関連などのハイテク株は米中対立悪化などを背景に、戻りはあまり期待しづらく、これまでのように指数の反発を牽引するには力不足の局面に入ってくることが予想されます。

日経平均の構成銘柄のうち国内売上高比率の高い50銘柄から構成される日経内需株50と、海外売上高比率の高い50銘柄から構成される日経外需株50は、大局的にはほぼ同じトレンドをたどってきました。

しかし、内需株は直近2年間に関しては、夏場から10月末ごろに向けては相対的に堅調か底堅く推移した経緯があります。足元でも、外需株が下げる一方で、内需株は比較的しっかりの動きになっているように、2024年もしばらくは内需株が優位と考えられます。

円高メリット銘柄が多い小売は、今後出遅れ物色の対象になるか

2023年からの上昇相場の中で、外需株でウエイトが大きい電機機器と自動車を含む輸送用機器はTOPIX(東証株価指数)をアウトパフォームしてきました。逆に、内需株でウエイトが大きい小売と陸運はTOPIXを依然としてアンダーパフォームしていて、今後出遅れ物色の対象になってくるとみています。

ただ、陸運が2023年の安値を割り込んでいるのに対し、小売は2023年の安値を切り上げる上昇トレンドが継続しており、内需の中でも優位性が出てくるとみられます。2024年3月の高値をまだ超えていないという点では輸送用機器と同様ですが、小売には円高メリット銘柄が比較的多いことや、2月決算が多いため概ね決算発表を終えているという点も、ある意味で買い安心感があります。

小売といっても様々な業態があります。25日移動平均線が上昇トレンドにある銘柄の中では、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)、ZOZO(3092)、王将フードサービス(9936)、シュッピン(3179)、サイゼリヤ(7581)、ゼビオホールディングス(8281)などに注目でしょうか。