先週の中国本土の株式市場は10月1日(火)からの大型連休のために1~4日が休場となったため、9月30日(月)のみの取引となりました。その9月30日は、秋の大型連休を控え、連休で消費が拡大する可能性があるとの思惑から消費関連株が買われた他、9月29日に正式に開設された上海自由貿易特区関連の銘柄が買われ、上海総合指数、深セン総合指数、創業版指数は揃って上昇となりました。特に創業版指数は+3.3%の大幅上昇となり、再び年初来高値を更新しています。
一方で香港株式市場は10月1日のみが休場でした。週初は米国の債務上限問題をめぐる懸念で大幅下落。しかし10月3日に発表された9月の中国公式非製造業景況指数が8月の53.9から55.4へと大きく上昇し、6ヶ月振りの高水準に達したことが好材料となり、週末にかけては戻す展開となっています。10月1日に発表された9月の中国公式製造業景況感指数は8月の51.0から51.1と小幅に上昇したものの、アナリスト平均予想である51.6を下回っていました。しかし、前述のように9月の中国公式非製造業景況指数が急角度で上昇したことは中国経済が第2四半期で底を打ったとの見通しを裏付ける結果となっているように思います。
個別銘柄では、中国の長期連休による旅行者増でマカオのカジノ業界が好調とのニュースを受け、カジノ株が人気化しています。金沙中国(サンズチャイナ)は史上最高値を更新しており、銀河娯楽<00027>も史上最高値にあと一歩までせまる株価に。香港のカジノ株にはその他、永利澳門、新濠博亞娯楽、新濠国際発展、澳博控股などがありますが、揃って好調です。特に先週は新濠博亞娯楽の会長兼最高経営責任者であるローレンスホー氏が日本のカジノ解禁を睨み、50億ドルを投資して日本にカジノを併設した大型総合リゾート施設を建設する計画を明らかにしています。もしも日本の秋の臨時国会でカジノ法案が成立すれば、香港のカジノ株にとっても好材料となる可能性があります。
コラム執筆:戸松信博