高島屋や三越伊勢丹ホールディングスなど、上昇基調続く百貨店株
高島屋(8233)とJ.フロント リテイリング(3086)が6月28日の引け後に2025年2月期の第一四半期の決算を発表し、両社ともに通期の連結営業利益予想を上方修正しました。7月1日の両社株は買い気配でスタートし、後場も買いが途絶えることなく高値引けとなりました。
百貨店株は2015年7月に戻り高値をつけて調整し、新型コロナショック後の2020年安値まで下げた後、現在も上昇基調が続いているのが主流です。特に、高島屋と三越伊勢丹ホールディングス(3099)は2020年安値からの上昇が大きく、2015年の戻り高値をすでに超えています。
一方、J.フロント リテイリングとエイチ・ツー・オー リテイリング(8242)に関しては、2015年の戻り高値をまだ超えていません。ただ、超えていないからダメということではありません。J.フロント リテイリングは2020年1月の戻り高値を超え、次は2017年や2015年の戻り高値を目指す展開です。
また、エイチ・ツー・オー リテイリングは2018年の戻り高値を超え、次は2015年の戻り高値を試すというように、百貨店株はインバウンドの勝ち組といえるほど騰勢を強めており、他のインバウンド関連の値崩れが目立つ中、当面は内需株の牽引役として注目です。
勢い止まらぬインバウンド、5月の全国百貨店売上高は前年同期比14.4%増
6月24日に発表された5月の全国百貨店売上高は前年同期比14.4%増と27ヶ月連続のプラスとなり、このところ最高だった2月の伸びを上回ったそうです。中でも、インバウンドが円安を追い風に好調で、前年同期比231.2%増と3ヶ月連続で過去最高を更新しました。労働節休暇(5月1~5日)で中国の購買客数と売上が大幅に伸長したことが売上全体を底上げしたようです。
日本政府観光局によると、5月の訪日外客数は3,040,100人(前年同期比60.1%増)でした。韓国やシンガポール、米国などからの増加が押し上げ要因になったようですが、中国からの寄与度はまだ薄いままです。5月の中国からの訪日外客数は545,400人と全体の18%程度にとどまっています。
ただ、2023年年間ベースの9.7%に比べると、2024年に入ってからは急拡大しています。新型コロナショックが発生する前の2019年が30%だったことを考えると、この先も伸びしろの余地は十分にあると言えそうです。