下放れ回避から上放れに期待が高まる
前回のコラムでは「5日移動平均線上を株価が回復するかどうかが今後の注目ポイントになる」と解説しました。
また「5日移動平均線上を回復して維持するようですと、5日移動平均線が下向きから上向きに変化するとともに、株価と5日移動平均線の両方が接近する25日移動平均線と75日移動平均線を一気に上回ることが期待されます」とも解説しましたが、6月20日に5日移動平均線上を回復すると、解説した通り6月24日から25日にかけて一気に25日移動平均線と75日移動平均線を上回って維持しているのが分かります。
さらに6月25日には、終値ベースで6月11日以来の高値水準に到達しています。このような状況から、前回のコラム時点では下放れへの警戒が高まっていましたが、現在は切り返して上放れ期待が高まっていると考えられそうです。
ただし、突破しなければならない水準があります。それは、3月13日と4月5日の終値を結んだ延長線です。この水準を突破することで、これまで上値を押さえていた抵抗となる水準を突破したことになり、高値更新の可能性が高まると考えられます。
上値の抵抗線を突破できるか
一方で、この水準を突破できないとどのようなことが起こるのでしょうか。仮にこの水準を突破できないと、一気に高値を更新することが難しくなると思われます。なぜなら、この延長線が3月22日につけた日経平均の過去最高値に届いていないからです。
早期に高値を更新するには、この延長線を上回って維持することが必要になるため、延長線を超えられなかった場合は高値掴みには注意するとともに、上値が重たい時は売り時を逃がさないようにしたいところです。
モメンタムが緩やかな上昇に変化
上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょう。モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、緩やかな上向きに変化しているのが分かります。また、モメンタムは上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインをわずかに上回っています。
このような状況から、モメンタムの上昇が続くかが注目ポイントになりそうです。仮にモメンタムとシグナルの上昇が続き、2本線ともに0ラインを上回って水準を切り上げるようだと、上昇の勢いが強まって、上値の抵抗となっている、3月13日と4月5日の終値を結んだ延長線に接近したり、突破したりすることが視野に入ります。
その反面、2本線が上昇しても限定的だったり、下向きに変化して0ラインを割り込んで低下したりするようですと、75日移動平均線や25日移動平均線など、せっかく上回った移動平均線を下回ってもち合いに戻ってしまうことが考えられますので、売買タイミングには注意が必要です。