【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,798.99  ▼87.18 (6/7)
NASDAQ: 17,133.13  ▼40.00 (6/7)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計の結果を受けて利下げ観測が後退し下落となりました。24ドル安でスタートしたダウ平均は直後に134ドル安まで下落した後持ち直すとプラスに転じ219ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むと引けにかけて売りが優勢となり結局87ドル安の38,798ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント安の17,133ポイントと続落となりました。

2.経済指標等

5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増となり市場予想を上回りました。平均時給も前年同月比4.1%上昇と伸びが前月から加速し市場予想を上回りました。失業率は4.0%と前月の3.9%から悪化しています。また、4月の米卸売在庫は前月比0.1%増に止まり市場予想を下回りました。米卸売売上高は前月比0.1%増となっています。さらに4月の米消費者信用残高は前月比64億ドル増となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、公益事業と素材が1%以上下落しました。一方で金融や情報技術などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では15銘柄が上げ、スリーエム[MMM]が2%を超える上昇となったほか、トラベラーズ[TRV]とJPモルガン・チェース[JPM]、アップル[AAPL]、IBM[IBM]、インテル[INTC]も1%以上上げました。一方で15銘柄が下げ、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が2%を超える下落となり、ウォルマート[WMT]も2%近く下げました。マクドナルド[MCD]とホーム・デポ[HD]も1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算を発表した電子署名サービスのドキュサイン[DOCU]が5-7月期の業績見通しが市場予想並みに止まったことで4%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は米雇用統計の結果を受けて0.14%高い4.43%となりました。こうしたなかドル円は円安となり156円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場が下落となった一方で、ドル円が円安となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は引き続き方向感に欠ける展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)