75日と25日移動平均線のどちらをブレイクして維持するか

トレンドレス状態が継続

6月相場に入り、取引時間中に日経平均は39,000円に乗せる場面がありましたが、75日移動平均線が上値の抵抗となり、わずかに押し返されて終えました。

また、翌4日は反落したものの、上向きの25日と75日移動平均線のあいだに挟まれた状態で終えているのが分かります。ただ、長期の移動平均である75日線が株価よりも上にある一方で、中期の移動平均線である25日線が株価よりも下に位置しており、長期と中期の移動平均線の位置が逆転しているため、トレンドレス状態と言えます。

75日移動平均線をブレイクすると期待されること

こうした状況から、75日と25日移動平均線のどちらをブレイクして維持するかが注目されます。仮に75日移動平均線を上回って維持するようですと、25日と5日移動平均線が上昇するとともに、75日移動平均線に接近したり、上回ったりして、移動平均線の順番が短期、中期、長期と、上昇トレンドが発生しているときの並びになり、日経平均は39,000円台に乗せて4万円を目指すことが期待されます。

25日移動平均線を下回る際に注意すべきこと

25日移動平均線を下回って戻せなくなるようですと、5日移動平均線が25日移動平均線を下回り、移動平均線の並びが上から長期、中期、短期に変わって下降トレンドの発生が警戒されることになります。

そうなると、5月30日につけた安値に接近したり、下回ったりすることが考えられるため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムは0ラインを突破できるか

上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が上を向いているものの、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインに届いていません。

そのため、今後、この2本線が0ラインを上回って水準を切り上げることができるかが注目ポイントになります。仮に、2本線の上昇が続いて水準を切り上げるようですと、上昇の勢いが強まって75日移動平均線を突破することが視野に入りそうです。

反面、2本線ともに0ラインを上回っても限定的だったり、下向きに変化して低下したりするようですと、25日移動平均線を下回って戻せなくなることが考えられます。

もち合いが続く日経平均ですが、上下どちらかに放れた場合、モメンタムの水準が、0ラインよりも上にあるか下にあるかが、発生したトレンドが強いのか、弱いのかの判断材料になると思われますので、注意しておきたいところです。