東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。220円安の38,702円で寄り付いた日経平均は10時30分前に331円安の38,591円まで下落しましたが、売り一巡後に持ち直すと173円安の38,749円で前場を終えました。

175円安の38,747円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮めると13時20分前に27円安の38,895円まで持ち直しましたが、戻し切れないとやや下げ幅を広げ結局85円安の38,837円で取引を終えました。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

J.フロント リテイリング(3086)が一時3.8%高となりました。ラグジュアリーブランドや化粧品などを中心に訪日外国人売上が伸長したことなどにより5月の大丸松坂屋百貨店合計の売上高が前年同月比で21.3%増となったことから大幅高となりました。

永谷園ホールディングス(2899)も22.3%上昇し、ストップ高となり年初来高値を更新しました。三菱商事系の投資ファンドである丸の内キャピタルと組みMBO(経営陣が参加する買収)を実施し、1株3,100円でTOB(株式公開買い付け)を行うと発表したことで買いを集めました。

また、目標株価の引き上げを受けてリクルートホールディングス(6098)やヤマハ(7951)が高く、リクルートホールディングスが一時3.5%高となり上場来高値を更新したほか、ヤマハも一時5.9%高となり年初来高値を更新しました。

さらに東証スタンダード市場ではアニメ企画・制作のIGポート(3791)が一時9.0%高となりました。政府がアニメや和食などの関連産業の成長に向け、2033年までにいまの倍を上回る50兆円以上の経済効果を生み出すことを目標に掲げ、コンテンツの海外展開やインバウンドの拡大などを図ると伝わったことで上げ幅を広げました。東映アニメーション(4816)も一時3.9%高となっています。

一方で本決算を発表した伊藤園(2593)が一時3.9%安となりました。海外事業の伸びが見込まれることもあり2025年4月期の営業利益が前期比で5.9%増となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は85円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均が反落となったことや、ドル円が円高に振れたこともあり売りが優勢となりました。

一時は330円以上下落する場面もありましたが、25日移動平均線(38,552円)を前に下げ渋ると後場に入って27円安まで持ち直す場面もありました。そのため25日移動平均線がサポートとして改めて意識されそうです。

なお、日本時間の23時には4月の米雇用動態調査(JOLTS)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)